FAQ : Naomi が作曲を始めたいきさつは?
私なりに音楽を作ってみなさまに聴いていただけていることに、私が一番驚いています。
不思議ですが、物心ついた時から音楽に自信があるという自覚がありました。でもなぜそう思うのか、自分でも全く分かりませんでした。
好きだからというよりはその理由が知りたくて、ピアノを習ったり、音楽に関係のあることに挑戦しつづけてきました。
転機となった出来事は、高校生の時にジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を聴いて感動したことでした。
私はこの時、人生で初めて「なんて素晴らしいんだろう、ピアノを弾いてみたい!」と心から思ったのですが、ピアノを習い始めたのは6歳ごろだったのに、当時16歳、いったい10年間何をやっていたのか・・・少々親不孝でした。(苦笑)
その後「ラプソディ・イン・ブルー」を必死で練習したほか、ガーシュウィンの他の曲にも魅了されて、楽譜が入手困難な曲も耳で聴いてなんとか再現しようと繰り返し試みました。
この「耳で聴いて再現する」というプロセスは、根気がいるものですし、見る人によっては「変態っぽい・・・」と感じる方もいるようですが、作曲のようになにかを一から作る上では粘着質な方が有利な気がしています。
次に転機となったのは大学生の時にジャズ研に入ったことです。ジャズを始めてみようと思ったきっかけも、ガーシュウィンの曲がジャズでも用いられていることに興味を持ったからでした。
ジャズを始める際に「コードネーム」を習得したのですが、このコードネームは音楽で言うところの「和音」を便利に頭の中で処理するのに適した道具でした。
コードネームを習得したことで、聴いた曲を簡単な楽譜におこしたり、ピアノでメロディに和音を付けて再現することができるようになり、「どうしたら作曲できるか分かったかも!」という気づきを得たのもこの頃です。
このあたりで「私は音楽に自信がある」ということが、どうも「私は音楽を形にするのが得意」という部分からきているのではないかと考えるようになりました。
ただ、ここから作曲を始めるまでにはもう少し時間が必要でした。「コピー」に熱中してしまったためです。
ジャズをやっている人が練習のために、名プレイヤーの演奏をコピーするのは一般的に行われていることですが、楽譜を見なくても和音が分かるし、一度聴き取ったソロ部分を覚えておくことも得意だったので、ビル・エヴァンスやマッコイ・タイナーなどの演奏のコピーをすることに夢中になっていました。
ジャズは「いかにして'自分だけの持ち味'を表現するのか」が大事な音楽ジャンルだと思うのですが、楽な方向に流れて当然作曲の開始が遅れてしまいました。
素晴らしいアーティストをコピーしCDに合わせて弾くのは、リズム感を養ったり、音楽の構造を理解する上で重要なトレーニングになりましたが、そのうち、音楽において「創造」することと「模倣」することは全く別物だという葛藤を感じるようになりました。
ガーシュウィンやエヴァンスの「模倣」を続けているだけでは、彼らが立っている「創造」の境地にはたどり着けない、彼らの見ていた景色を私も見てみたい、と思うようになりました。
そこで一念発起し、曲を作り始めました。一人でやるにはコンピューターを使うことが必須だと思い、コンピュータや音響学に関することを本や雑誌で読んだり、家電量販店に通うなどして知識を蓄えました。
こうして書いた曲が、今みなさんに聴いていただいているものです。
お読みいただきありがとうございました(^^♪